わたしは10年ほど前にドナルド・トランプ著書の「あなたに金持ちになってほしい」を
読んだことがある。彼の投資手法は極めて単純、銀行からできる限り資金を借りて
リターンとリスクを最大限まで高めていくのである。
極端で過激なレバレッジ運用法ではあるが、
確実に儲かるビジネス、確実に儲かる投資など期待値がプラスの優位性を、
手に入れた者にとっては最も儲かる運用法と言える。
彼は過去に4回の破産をしているが、この本を書いたときはまだ3回の破産であった。
読者に金持ちになってほしいといっているにも関わらず、
サブプライムローンからリーマンショックの流れで再び破産に追い込まれたわけである。
最大のリターンを求める投資手法のため少し読みを間違えると一瞬で破産するのである。
しかしトランプは破産を恥じていたり反省したりはしていないであろう。
一般人の破産は、利益が見込める可能性が乏しい、もしくはマイナスの利益を出す
可能性が高いにも関わらず、会社存続のために運転資金を調達して
自転車操業をするパターンである。こんな経営者は破産したら再起は不可能である。
トランプの場合は、利益が見込める可能性が高くマイナスの利益を出す
可能性はとても低いが、
利益を追求するがために限界まで資金を調達して資産を増やしていく。
偶然の不利益が発生した場合、もちろん会社は破産となり得るがたとえ破産したとしても、
彼の優位性には再び銀行がジャブジャブとお金を貸したがるというわけだ。
そしてトランプは不死鳥の様にカムバックしてくるし、
政治家までもが彼の優位性に魅了され、国民も彼の虜になっていった。
そしてアメリカの運用を任されるべく、トランプ大統領となる。
日本ではトランプ大統領では、世界情勢がどうなるか心配などの声があるが、
世界までもが彼の優位性に乗っかっていく時代なり、
トランプが世界の運用を任される時代がくるということになる。
トランプのレバレッジが極限を迎えたとき、
世界が膨大な利益を得るか。。。
世界が絶望的な破産を迎えるか。。。
どちらにせよ刺激的な世界になるであろう。