ゼレンスキー大統領がG7広島サミットで日本とロシアに挑む！ウクライナ危機の真相と今後の展望
ゼレンスキー大統領とは？
ウクライナの第6代大統領であるゼレンスキー氏は、1978年1月25日にウクライナ東部のクルイヴィーイ・リーフに生まれたユダヤ系ウクライナ人です。元々は俳優やコメディアンとして活躍しており、政治風刺ドラマ『国民の僕』でウクライナ大統領役を演じて人気を高めました。2019年の大統領選に出馬して当選し、同年5月20日に就任しました。
ゼレンスキー氏は、オレンジ革命やマイダン革命などの自由主義革命に肯定的で、ロシア軍の軍事介入後は知名度を持つロシア語圏での反発を恐れず、ウクライナ軍に多額の寄付を行いました。一方でロシア文化の弾圧には強く反対しました。
ゼレンスキー氏は、経済再生や汚職への取り組みなどを公約に掲げ、国民から高い支持を得ています。しかし、政治的アウトサイダーである彼は、権謀術数が渦巻く政界と対決する姿をユーモアを交えながら描いたドラマと同じように、現実でも多くの困難に直面しています。
ゼレンスキー大統領がG7広島サミットで何を訴えたか？
2023年5月21日、G7広島サミットの最終日にゼレンスキー大統領も参加しました。ゼレンスキー大統領は、G7や招待国の首脳らによるセッションで、ウクライナ危機に関する最新情報と今後の展望を語りました。
ゼレンスキー大統領は、2022年2月からロシアがウクライナ国境付近で軍事行動を強化していることについて、「ロシアは侵略戦争を準備しており、我々はその犠牲者ではなく防衛者だ」と述べました。また、「ロシアは国際法や条約を無視しており、我々は法の支配に基づく国際秩序を維持・強化する必要がある」と強調しました。
ゼレンスキー大統領は、G7や欧米諸国からウクライナへの支援と連帯感を求めました。「我々は自由と民主主義と人権と平和という価値観を共有する仲間だ」と述べたうえで、「我々はNATOやEUへの加盟を目指しており、そのために改革や対話や外交努力を続けている。しかし、それだけでは不十分だ。我々は武器や制裁や外交圧力など、あらゆる手段でロシアに対抗する必要がある」と訴えました。
ゼレンスキー大統領は、日本とロシアにもメッセージを送りました。日本に対しては、「日本は我々の重要なパートナーであり、我々は日本から多くの支援や協力を受けてきた。我々は日本と北方領土問題でも連携したい」と述べました。ロシアに対しては、「ロシアは我々と同じ文化や歴史や言語を持つ隣人だが、残念ながら敵だ。我々はロシアと戦争したくないが、平和的解決も望んでいる。しかし、それにはロシアが紛争地域から撤退し、停戦協定やミンスク合意などを履行することが必要だ」と述べました。
ゼレンスキー大統領の発言に対する反応は？
ゼレンスキー大統領の発言に対して、G7や欧米諸国からは支持や賞賛が相次ぎました。バイデン米大統領は、「ゼレンスキー大統領は勇敢で賢明でリーダーシップがある」と称えたうえで、「米国はウクライナとその主権と領土保全と安全保障という不可侵な原則を支持する」と強調しました。岸田日本総理大臣も、「日本もウクライナとその主権と領土保全と安全保障という不可侵な原則を支持する」と表明しました。
一方、ロシアからは批判や反発が起こりました。ロシア外務省は21日、ゼレンスキー大統領の参加は「サミットを完全にプロパガンダのショーに変えた」と批判する声明を発表しました。また、プーチン大統領は、ゼレンスキー大統領の発言を「挑発的で不誠実で無責任だ」と非難し、ウクライナがNATOやEUに加盟することは「ロシアの国益に反する」と警告しました。
ゼレンスキー大統領の発言の意義と影響は？
ゼレンスキー大統領の発言は、ウクライナ危機に対する国際社会の関心と支援を高めるとともに、ロシアに対する圧力を強めることを狙ったものと見られます。ゼレンスキー大統領は、被爆地・広島で原爆資料館を視察したことで、戦争の惨禍と平和への願いを訴えることができました。また、G7や招待国の首脳らと直接対話することで、ウクライナの立場や要求を伝えることができました。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナが提案した「平和のフォーミュラ」についても言及しました。これは、ロシアが占拠している原子力発電所の返還や停戦協定やミンスク合意などの履行など10項目からなる和平案です。ゼレンスキー大統領は、この案を実現するために首脳級の「平和サミット」を7月に開催することを提案しました。これは、ウクライナが主導的な役割を果たすことを示すとともに、ロシアに対する国際的な包囲網を形成することを目指したものと見られます。
ゼレンスキー大統領の発言は、G7や欧米諸国から支持や賞賛を得ることができましたが、ロシアからは批判や反発を招くことになりました。ロシアは、ウクライナがNATOやEUに加盟することや西側諸国から武器や制裁や外交圧力などを受けることに強く反対しており、ウクライナ危機の解決に向けた対話や協力の姿勢を示す気配はありません。ゼレンスキー大統領の発言がロシアの姿勢を変えるかどうかは不透明ですが、ウクライナ危機は引き続き国際社会の注目を集める重要な課題であることは間違いありません。