北朝鮮が31日以降に「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射予告
なぜ今、なぜこのタイミングで発射予告したのか
北朝鮮は29日、31日から6月11日までの間に「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射すると表明しました。これは、アメリカと韓国が3月から大規模な合同軍事演習を行うことに対する対抗措置として、自らの核反撃能力を示すねらいがあるとみられます。また、15日には金正恩総書記の祖父である金日成氏の生誕記念日(太陽節)を控えており、北朝鮮はこうした節目に軍事的進歩を誇示する傾向があります。
発射される可能性が高いミサイルの種類と性能
北朝鮮が発射予告した「人工衛星」と称する弾道ミサイルは、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級の「火星15型」だと推測されます。このミサイルは2017年11月に初めて発射され、北朝鮮は「アメリカ本土全域を攻撃できる」と主張しました。日本政府は最高高度がおよそ5700キロ程度と分析し、弾頭の重量などによっては、射程が1万4000キロとアメリカ全土が含まれる可能性があると明らかにしました。ただし、弾頭部分の大気圏への再突入や精密誘導などの技術を確立したのかどうかは不明です。
日本や周辺国への影響と対応策
北朝鮮が発射予告したミサイルは、黄海、東シナ海、ルソン島の東方向に発射するとしています。これは、日本や周辺国への直接的な脅威ではありませんが、落下地点や飛行経路によっては、航空機や船舶などの安全に影響を及ぼす恐れがあります。また、北朝鮮が今後もICBM級を含めたミサイルの発射を繰り返す可能性もあります。日本政府は、北朝鮮のミサイル発射に対して自制を求めるとともに、アメリカや韓国など関係国と連携して抑止力を強化し、不測の事態に備えて万全の態勢を取る方針です。
まとめ
北朝鮮が31日以降に「人工衛星」と称する弾道ミサイルの発射予告をしたことは、アメリカや韓国など周辺国への警告とも考えられます。北朝鮮は核武力の完成を目指しており、さまざまな種類のミサイルを開発しています。日本や周辺国は、北朝鮮の挑発行為に対して警戒を怠らず、情報収集や情報提供などで協力しながら対応する必要があります。