環境問題というと、地球温暖化や海洋プラスチックなど、よく耳にするものがありますが、実はそれだけではありません。近年、世界中で深刻化している新しい環境問題があります。
この記事では、その新しい環境問題について、以下の5つのポイントを解説します。
- それぞれの環境問題の原因と影響
- 環境問題の解決に向けた国際的な取り組み
- 私たちにできること
- 環境問題に関する最新の情報源
- 環境問題に関するまとめ
それでは、早速見ていきましょう。
1. それぞれの環境問題の原因と影響
新しい環境問題とは、どのようなものでしょうか。ここでは、以下の4つの環境問題を紹介します。
- 森林火災
- 砂漠化
- 異常気象
- 森林破壊
それぞれの環境問題の原因と影響を見ていきましょう。
森林火災
森林火災とは、森林で発生する火災のことです。森林火災自体は自然現象としても起こりますが、近年は人間活動や気候変動によって、その規模や頻度が増えています。
森林火災が起こると、以下のような影響があります。
- 大気汚染:森林火災で発生する煙や灰は、大気中に広がり、人間や動物の呼吸器系に悪影響を及ぼします。また、温室効果ガスやオゾン層を破壊する物質も放出されます。
- 生物多様性の減少:森林火災で多くの植物や動物が死亡したり、生息地を失ったりします。これによって、生態系のバランスが崩れたり、絶滅危惧種が増えたりします。
- 土壌流失:森林火災で植物が焼失すると、土壌を保護する役割が失われます。これによって、雨水や風で土壌が流されたり、侵食されたりします。土壌流失は農業や水資源にも悪影響を与えます。
砂漠化
砂漠化とは、元々植物が生えていた土地が不毛の地になることです。砂漠化の主な原因は2つあります。
- 気候変動:気候変動によって降水量が減ったり、干ばつが起きたりすることで、土地の水分が失われます。
- 人間活動:過度な放牧や農業、水資源の使用や森林伐採などによって、土地の再生産能力を超える負荷がかかります。
砂漠化が起こると、以下のような影響があります。
- 食糧危機:砂漠化すると、農業や牧畜などの食料生産が困難になります。これによって、飢餓や貧困が拡大します。
- 難民化:砂漠化すると、住む場所や生活資源が失われます。これによって、多くの人々が他の地域や国へ移住せざるを得なくなります。これらの人々は気候難民(環境難民)と呼ばれます。
異常気象
異常気象とは、ある場所・ある時期において30年に1回以下で発生する現象です。例えば、
- 猛暑日や豪雨
- 山火事や洪水
- 台風や竜巻
- 雪崩や氷河崩壊
などが挙げられます。異常気象の主な原因は地球温暖化です。地球温暖化によって大気や海洋の温度・湿度・圧力などが変化し、気象システムに乱れをもたらします。
異常気象が起こると、以下のような影響があります。
- 人命被害:異常気象で多くの人々が死傷したり、健康被害を受けたりします。特に高齢者や子供などは体力的に弱く、被害を受けやすいです。
- 経済被害:異常気象で農作物やインフラなどが損壊したり、交通や産業などに支障をきたしたりします。これによって経済活動に大きな打撃を与えます。
- 社会不安:異常気象で生活基盤や秩序が崩れたり、物資不足や価格高騰などが起きたりします。これによって社会的な不安や混乱が広がります。
森林破壊
森林破壊とは、森林伐採や火災などによって世界の森林面積が減少していくことです。森林破壊は主に開発途上国で進行しており、森林破壊が起こると、以下のような影響があります。
- CO2排出量の増加:森林は大気中のCO2を吸収し、酸素を放出する役割を果たしています。しかし、森林が減少すると、その役割が低下し、CO2の排出量が増えます。これは地球温暖化の原因となります。
- 生物多様性の減少:森林は多くの植物や動物の生息地です。しかし、森林が破壊されると、それらの生物も死亡したり、移動したりします。これによって、生態系のバランスが崩れたり、絶滅危惧種が増えたりします。
- 水資源の減少:森林は水源涵養機能を持っています。つまり、雨水を吸収し、地下水や河川に供給することで、水資源を確保することです。しかし、森林が破壊されると、その機能が低下し、水不足や洪水などの問題が起きます。
2. 環境問題の解決に向けた国際的な取り組み
新しい環境問題は、一国や一地域だけで解決できるものではありません。世界中で連携して取り組む必要があります。そのためには、国際的な枠組みや協定が重要です。
ここでは、以下の3つの国際的な取り組みを紹介します。
- SDGs(持続可能な開発目標)
- パリ協定
- ボン・チャレンジ
それぞれの取り組みについて見ていきましょう。
SDGs(持続可能な開発目標)
SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットからなる国際目標です。SDGsは「誰一人取り残さない」という理念のもとに、環境問題だけでなく、貧困や格差、教育や健康など、社会全体の持続可能性を目指しています。
SDGsには以下の17のゴールがあります。
- あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
- 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
- あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
- すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
- ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
- すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
- すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
- 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する
- 強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
- 各国内及び各国間の不平等を是正する
- 包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
- 持続可能な生産消費形態を確保する
- 気候変動に具体的な対策を講じる
- 海洋・海洋資源及び海洋生物多様性に関する持続可能な開発方法によって海洋・海洋資源及び海洋生物多様性を保全・持続可能に利用する
- 陸域生態系及び内陸淡水生態系及びそれらに関連するサービス並びに森林・湿地・山岳・乾燥地等における陸域生物多様性に関する持続可能な開発方法によって陸域生態系及び内陸淡水生態系及びそれらに関連するサービス並びに森林・湿地・山岳・乾燥地等における陸域生物多様性を保全・回復・持続可能に利用する
- 平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、効果的で説明責任及び包摂的である制度等各レベルにおけるあらゆる形態の暴力及び関連する死亡者数を著しく減少させる
- 実施手段及びグローバル・パートナーシップ
SDGsは各国政府や企業だけでなく、市民社会や個人も参加して実現していく必要があります。私たち一人一人がSDGsに関心を持ち、日常生活や仕事で意識的に行動することが大切です。
パリ協定
パリ協定とは、2015年に採択された気候変動対策に関する国際協定です。パリ協定は「気候変動枠組条約」(UNFCCC)という1992年から存在する条約に基づいて作られました。
パリ協定では、「気候変動枠組条約」では達成できなかった以下の2点が合意されました。
- 世界全体で温室効果ガス排出量がピークアウトした後は減少させること
- 産業革命前と比較して気温上昇を2℃以下に抑えること(できれば1.5℃以下にすること)
パリ協定は、これまでの気候変動対策の枠組みとは異なり、先進国だけでなく、発展途上国や新興国も含めた全ての国が参加することが特徴です。また、各国が自主的に温室効果ガス削減目標(国別貢献)を設定し、5年ごとに見直す仕組みも導入されました。
パリ協定は、2020年から発効する予定ですが、現在の国別貢献では、気温上昇を2℃以下に抑えることは困難だと言われています。そのため、より高い野心的な目標を掲げることが求められています。
ボン・チャレンジ
ボン・チャレンジとは、2011年にドイツのボンで開催された森林景観回復(FLR)に関する会議で提唱された、世界中で森林景観回復を行うためのグローバルな取り組みです。森林景観回復とは、森林や草原などの自然資源を保全・回復・持続可能に利用することで、生物多様性や生態系サービス、気候変動対策などに貢献することです。
ボン・チャレンジでは、2030年までに世界で1.5億ヘクタール(日本の面積の約4倍)の森林景観回復を目指しています。これは「ニューヨーク宣言」や「パリ協定」などの気候変動対策における森林分野の目標とも一致しています。
ボン・チャレンジには現在、60以上の国や地域、企業やNGOなどが参加しており、約1.7億ヘクタールの森林景観回復を約束しています。日本も2015年に参加し、アジア地域での森林景観回復の推進に貢献しています。
3. 私たちにできること
新しい環境問題は深刻ですが、決して無力ではありません。私たち一人一人が日常生活でできることがあります。ここでは、以下の3つのポイントを紹介します。
- 節電・節水・節燃料
- エコ商品やサービスの利用
- 環境教育や啓発活動への参加
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
節電・節水・節燃料
節電・節水・節燃料とは、電気や水やガソリンなどのエネルギーや資源を無駄に使わないことです。これらは温室効果ガスの排出量や水資源の消費量に直接関係しており、環境問題の原因となっています。
節電・節水・節燃料をするためには、以下のような工夫があります。
- 電気製品や水道の使い方を見直す:必要以上に長時間つけっぱなしにしない、省エネ型や節水型の製品を選ぶ、シャワーの時間を短くするなど
- 公共交通機関や自転車などを利用する:自家用車よりも温室効果ガスの排出量が少ない
- 再生可能エネルギー(太陽光や風力など)を導入する:化石燃料よりも温室効果ガスの排出量が少ない
エコ商品やサービスの利用
エコ商品やサービスとは、環境に配慮した商品やサービスのことです。例えば、
- リサイクル素材や有機栽培素材などを使用した商品
- 環境ラベル(エコマークやカーボンフットプリントなど)が付いている商品
- 環境保全活動に寄付したり協力したりするサービス
などが挙げられます。これらは環境問題に対する意識や行動を高めるだけでなく、環境負荷を低減する効果もあります。
エコ商品やサービスを利用するためには、以下のような工夫があります。
- 商品やサービスを選ぶ際に環境情報を確認する:インターネットやパンフレットなどで調べる
- エコ商品やサービスを優先的に購入する:価格だけでなく品質や安全性も考慮する
- エコ商品やサービスを周囲に紹介する:口コミやSNSなどで情報発信する
環境教育や啓発活動への参加
環境教育や啓発活動とは、環境問題に関する知識や理解を深めたり、行動変容を促したりするための活動です。例えば、
- 環境関連の本や映画やドキュメンタリーなどを見る
- 環境関連のイベントやセミナーやワークショップなどに参加する
- 環境関連の団体やボランティア活動に参加する
などが挙げられます。これらは自分自身だけでなく、周囲の人々にも影響を与える可能性があります。
環境教育や啓発活動への参加方法は以下の通りです。
- 自分が興味あるテーマや分野を探す:インターネットや書籍などで調べる
- 参加できる機会を見つける:地域情報誌やウェブサイトなどで探す
- 体験や学びを共有する:友人や家族や同僚などに話したり、ブログやSNSなどで投稿したりする
4. 環境問題に関する最新の情報源
新しい環境問題は日々変化しています。そのため、常に最新の情報を入手することが重要です。ここでは、以下の3つの情報源を紹介します。
- 環境関連のウェブサイトやメディア
- 環境関連の組織や団体
- 環境関連のデータやレポート
それぞれの情報源について見ていきましょう。
環境関連のウェブサイトやメディア
環境関連のウェブサイトやメディアとは、インターネット上で環境問題に関するニュースやコラムや動画などを提供するサイトやメディアのことです。例えば、
- エコビジ(https://ecobiz.jp/)
- エコノミスト(https://www.economist.com/environment)
- ナショナルジオグラフィック(https://www.nationalgeographic.com/environment)
などが挙げられます。これらは環境問題に関する最新の動向や分析や事例などを知ることができます。
環境関連のウェブサイトやメディアを利用するためには、以下のような工夫があります。
- 興味あるテーマや分野を絞る:自分が知りたいことや学びたいことを明確にする
- 信頼できる情報源を選ぶ:出典や著者や根拠などを確認する
- 定期的にチェックする:ブックマークしたり、ニュースレターに登録したり、SNSでフォローしたりする
環境関連の組織や団体
環境関連の組織や団体とは、環境問題に対して調査や提言や活動などを行っている組織や団体のことです。例えば、
- 国連環境計画(UNEP)(https://www.unep.org/)
- WWF(世界自然保護基金)(https://www.wwf.or.jp/)
- グリーンピース(https://www.greenpeace.org/japan/)
などが挙げられます。これらは環境問題に関する専門的な知識や見解や提案などを提供しています。
環境関連の組織や団体を利用するためには、以下のような工夫があります。
- 自分が支持できる理念や目標を持つ組織や団体を探す:インターネットや書籍などで調べる
- 組織や団体のウェブサイトやメディアをフォローする:最新の情報や活動内容などを知る
- 組織や団体への寄付や参加などを検討する:資金的・人的・物的な支援を行う
環境関連のデータやレポート
環境関連のデータやレポートとは、環境問題に関する統計的・科学的・政策的なデータやレポートのことです。例えば、
- 国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)(https://unfccc.int/)
- 国際エネルギー機関(IEA)(https://www.iea.org/)
- 国際自然保護連合(IUCN)(https://www.iucn.org/)
などが挙げられます。これらは環境問題に関する客観的かつ詳細なデータやレポートを公開しています。
環境関連のデータやレポートを利用するためには、以下のような工夫があります。
- 自分が必要とするデータやレポートを特定する:目的やテーマ
- キーワードやカテゴリーなどで検索する:インターネットやデータベースなどで探す
- データやレポートの信頼性や有用性を評価する:出典や著者や方法論などを確認する
- データやレポートを分析や活用する:グラフや表などで可視化したり、自分の意見や提案に反映させたりする
5. 環境問題に関するまとめ
この記事では、新しい環境問題について、以下の5つのポイントを解説しました。
- それぞれの環境問題の原因と影響
- 環境問題の解決に向けた国際的な取り組み
- 私たちにできること
- 環境問題に関する最新の情報源
- 環境問題に関するまとめ
新しい環境問題は私たちの生活や未来に大きな影響を与えます。しかし、私たち一人一人が知識を深め、行動を変えることで、環境問題の解決に貢献できます。私たちは地球と共に生きる存在です。地球を守ることは、自分自身を守ることでもあります。
この記事があなたの環境問題への理解や関心を高めるきっかけになれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
関連サイト・出典
- 国連SDGs(https://www.un.org/sustainabledevelopment/japanese/)
- パリ協定(https://unfccc.int/process-and-meetings/the-paris-agreement/the-paris-agreement)
- ボン・チャレンジ(http://www.bonnchallenge.org/)
- エコビジ(https://ecobiz.jp/)
- エコノミスト(https://www.economist.com/environment)
- ナショナルジオグラフィック(https://www.nationalgeographic.com/environment)
- 国連環境計画(UNEP)(https://www.unep.org/)
- WWF(世界自然保護基金)(https://www.wwf.or.jp/)
- グリーンピース(https://www.greenpeace.org/japan/)
- 国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)(https://unfccc.int/)
- 国際エネルギー機関(IEA)(https://www.iea.org/)
- 国際自然保護連合(IUCN)(https://www.iucn.org/)