円安とは、相対的に円の価値が下がることです。例えば、1ドル＝100円だったところが、1ドル＝120円になったら、円安になります。逆に、1ドル＝80円になったら、円高になります。
円安になると、日本の輸出企業や観光業などはメリットを享受できます。なぜなら、外国の人から見たら、日本の商品やサービスが安くなるからです。例えば、1ドル＝100円のときに1000円だった日本製品は、1ドル＝120円になったら8.33ドルになります。これは、外国の人にとっては約17%も割安になることを意味します。同様に、外国から日本へ旅行する人も増えます。これは、日本の経済活動を活発化させる効果があります。
一方で、円安になると、日本の輸入企業や消費者などはデメリットを被ります。なぜなら、外国の商品やサービスが高くなるからです。例えば、1ドル＝100円のときに10ドルだった外国製品は、1ドル＝120円になったら1200円になります。これは、日本の人にとっては約20%も値上がりすることを意味します。同様に、日本から外国へ旅行する人も減ります。これは、日本の購買力を低下させる効果があります。
では、今後の円安の見通しはどうでしょうか？現在（2023年5月末時点）、米ドル/円相場は140円台で推移しています。これは半年ぶりの円安水準です 。この背景には、米国の金利上昇や景気回復期待があります 。米国では新型コロナウイルスワクチン接種が進み、経済再開が加速しています 。また、FRB（米連邦準備制度理事会）は金融政策を引き締める可能性が高まっています 。これらの要因は米ドル高・円安を促す要因です。
しかし、一方で円安進行にブレーキをかける要因もあります。例えば、日本では消費税率が2023年10月から10%から12%へ引き上げられる予定です。これは内需を冷え込ませる可能性があります。また、中国では経済指標が悪化しており、世界景気の先行き不透明感が強まっています 。さらに、地政学的なリスクも無視できません 。例えば北朝鮮や台湾問題などです 。これらの要因はリスク回避的な動きを誘発し、円高・ドル安を招く可能性があります。
以上を踏まえると、今後の米ドル/円相場は135～145円のレンジで推移する可能性が高そうです 。一方的な円安トレンドは続かないでしょう 。
出典
: 早くも円安に対する警告、介入の焦点はやはり水準でなくスピード（MSN） https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E6%97%A9%E3%81%8F%E3%82%82%E5%86%86%E5%AE%89%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E8%AD%A6%E5%91%8A-%E4%BB%8B%E5%85%A5%E3%81%AE%E7%84%A6%E7%82%B9%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%AF%E3%82%8A%E6%B0%B4%E6%BA%96%E3%81%A7%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%89/ar-AA1bVjk9
: 4月の外国人宿泊、1千万人超え コロナ禍後初めて、円安が追い風（デイリースポーツ） https://www.daily.co.jp/society/human_interest/2023/05/31/0016418419.shtml
: 日経平均大引け 5日ぶり反落、440円安（日本経済新聞） https://www.nikkei.com/article/DGXZAS3LTSEC1_R30C23A5000000/
: 為替:ドル円相場・円安、最新ニュースとレート（日本経済新聞） https://www.nikkei.com/markets/kawase/
: 米ドル／円の行方「円安は“145円”が天井」といえるこれだけの理由（Yahoo!ニュース） https://news.yahoo.co.jp/articles/ea5612befe515815535263b77e34f92617c30530
: 円高（えんだか）円安（えんやす）を分かりやすく解説（楽天カード） https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/feature/article_2204_00004/